商標登録


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01 商標
02 商標に該当する例
03 商標に該当しない例
04 トレードマークと
サービスマーク
05 登録商標
06 商標登録

10 商標登録する方法
11 商標登録出願
12 特許庁への手続
13 登録までの期間




























01 商標
文字、図形等からなるマーク(標章)であって、事業に使用するものが商標です。

 商標登録は商標法に規定されています。商標法は「商標」を保護するための法律ですので、「商標」でない限り商標登録することはできません。商標法には「商標」の定義規定が設けられていますが、とても判りづらい表現になっています。これを判りやすく言い換えれば、商標とは「文字、図形等からなるマークであって、事業に使用するもの」ということになります。つまり、次の(1)と(2)の両方を満たすものが登録することができる「商標」なのです。

(1) マーク(標章)であること
 文字、図形、記号又は立体的形状のいずれかによって構成されていれば、商標法上のマークということができます。これらの組み合わせであっても構いません。もちろん色彩を有するものであっても構いませんが、色彩単独(単なる色だけ)は商標ということはできません。

(2)事業に使用するものであること
 事業は営利目的のものでなくても構いません。例えば、公共事業もここでいう「事業」に含まれています。既に事業に使用しているものだけに限定されず、使用する意思があれば使用開始前でも登録を受けることができます。具体的には、近い将来(3年以内)に使用する予定があるものであれば、実際に使用を開始していなくても問題ありません。



02 商標に該当する例
次のようなものは商標に該当します。

 文字、図形、記号のように紙に書き表すことができるような平面的なものは全て商標法上のマーク(標章)に該当します。これに加えて立体的な形状もマークに含まれますが、こちらは例外的なケースとお考え下さい。

商標に該当するものの例
a)社名、屋号、商品名、サービス名のように文字だけで構成されるもの
  「ABC株式会社」、「○×本舗」
  「sony」、「ホッカイロ」、「宅急便」
b)図形のみで構成されるもの
  クロネコヤマトの「猫のマーク」
  メルセデスの「スリーダイヤ」
c)モノグラムのように文字を図案化したもの
  ルイトンの「LVを組み合わせたマーク」
  イブサンローラン「YSLを組み合わせたマーク」
c)図形と文字の組み合わせで構成されるもの
d)立体的形状で構成されるもの
  不二家の「ペコちゃん人形」



03 商標に該当しない例
次のようなものは商標に該当しません。

a)臭い
b)音
c)色彩単体(文字、図形との組み合わせではない色だけ)


COLUMN−1
 バイクで有名なハーレーダビットソン社は、本国(アメリカ)ではそのエンジン音が商標登録されており、日本でもエンジン音について商標登録出願を行っていたようです。しかしながら、日本の商標法では音は商標に該当しないため、商標登録を受けることができません。商標法は国によって異なりますので、ある国で商標と認められても、他の国で商標と認められるとは限りません。



04 トレードマークとサービスマーク
商品に使用する商標をトレードマーク、サービスに使用する商標をサービスマークと読んでいます。

 商標は、商品に使用するものとサービス(役務)に使用するものとがあります。一般に、商品に使用するものをトレードマークと呼び、サービス(役務)に使用するものをサービスマークと呼んで区別しています。このような区別は便利ですので、この入門教室でも使用しますが、商標法上の用語ではありません。


COLUMN−2
 平成2年に商標法が改正される前は、商標法第2条1項では商品に使用するものだけを商標と定義していました。つまり、それまでは、登録商標といえばトレードマークだけだったわけで、サービスマークを保護するという歴史は日本では意外に浅いのです。



05 登録商標
登録商標とは特許庁の商標原簿に登録された商標のことです。

 登録商標とは登録されている商標のことです。何処に登録されているのかといえば特許庁にある商標原簿に登録されています。特許庁は、経済産業省の外局であり、千代田区虎ノ門にあります。


COLUMN−3
 特許庁は、平成2年に手続のオンライン化を実現したお役所です。電子化の早さは役所としては世界でもトップクラスであり、かつては各国から大勢の視察団が訪れていたそうです。現在では、この商標原簿も電子化されており、登録商標は特許庁のコンピュータ内に登録されています。原簿と聞けば、分厚い台帳のようなものを想像しますが、実際にはハードディスクなのです。



06 商標登録
商標登録とは商標を登録することです。

 商標登録は商標を登録することを意味しています。具体的には、審査を経て商標が特許庁の商標原簿に記載されることを商標法では「設定登録」と呼んでいますが、この設定登録が「商標登録」です。


COLUMN−4
 登録商標は登録された商標のことであり、商標登録は商標を登録することなので、両者は使い分ける必要があるのですが、私が知る限りでは、これらを区別することなく、いずれも「登録商標」という意味で使用されているケースがかなり多いように思われます。商標について勉強した知識を他人に披露する際には、「登録商標する」とか、「商標登録を持っている」などと言わない様に気をつけましょう。



10 商標登録する方法
商標登録出願を行って審査を受ける必要があります。

 商標登録するためには、特許庁長官に対し商標登録出願を行って特許庁の審査官による審査を受ける必要があります。この審査を無事通過することができれば登録査定の謄本が送達されます。それから30日以内に登録料を支払えば、その商標は商標原簿に登録され、晴れて登録商標となります。


COLUMN−5
 商標登録出願は特許庁長官に対して行うことになっています。しかしながら、特許庁長官に願書を手渡したという話を私は聞いたことがありません。可能ならば一度はやってみたいものです。実際は特許庁の職員が特許庁長官に代わって全ての手続を行っており、書面の宛名が特許庁長官であればよいということです。



11 商標登録出願
商標登録出願とは、特許庁長官に対し商標登録願(ねがい)を提出することです。

 商標登録するためには、願書を作成して特許庁長官へ提出する必要があります。特許出願や意匠出願を行う際にも願書を提出するので、これらと区別する必要がある場合には商標登録願(ねがい)と呼びます。
 この願書には、氏名(名称)、住所などの出願人に関する情報と、登録したい商標と、指定する商品又は役務(サービス)とを記載する必要があります。
 特許庁長官に願書を提出した日が「出願日」であり、競合する2つの出願の先後を判断する際の基準になります。なお、書留郵便で願書を提出した場合であれば、その発送日が出願日として取り扱われます。このような取り扱いを発信主義と呼んでいます。



12 特許庁への手続
特許庁への手続は、特許庁窓口での提出、郵送、オンライン手続のいずれでも行うことができます。

 商標登録出願を含む特許庁への手続は、特許庁窓口での提出、郵送、オンライン手続のいずれでも行うことができます。郵送の宛名はもちろん特許庁長官です。オンライン手続はパソコンからのデータ送信によって行う手続であり、ISDN回線で特許庁に接続する方法と、インターネット経由とがあります。
 なお、全ての手続がオンライン化されているわけではない一方で、オンライン化されている手続をオンライン以外の方法(窓口又は郵送)で行った場合には、別途、電子化手数料を支払う必要があります。


COLUMN−6
 商標登録出願がインターネット経由でできるとご説明すると、パソコンがあるだけで直ぐにでもオンライン出願ができると勘違いされるかもしれませんが、それは間違いです。オンライン出願をはじめようとすれば、電子証明書を取得したり、特許庁への登録を行ったりという事前準備が必要であり、時間と費用がかかります。



13 登録までの期間
出願から約7〜10ヶ月程度で登録することができます。

 特許庁では、年間約10万件の商標登録出願の全てを審査しています。この審査は出願順に行われており、最初の審査結果が得られるのは出願日から6ヶ月前後が経過した頃です。このため、スムーズに登録することができたという場合であっても出願から登録までに7〜10ヶ月程度の期間を見込んでおく必要があります。
 ただし、一定条件を満たしている場合には早期審査の申し立てを行うことによって優先的に審査を受けることができます。この場合、1ヶ月程度で最初の審査結果が得られます。